鯛は、煮つけやホイル焼き、炊き込みご飯などの和風の料理から、カルパッチョやソテーなどの洋風の料理まで幅広い食べ方があり、どの料理にもごちそう感を演出できる有能な食材です。
特にお祝いの席で食べられることの多い鯛ですが、スーパーでは比較的買いやすい値段で売られていることもあるので、普段からよく食べているという方もいらっしゃるのではないかと思います。
しかし鯛をはじめとする魚は、野菜と違って賞味期限の判断がしづらいのが難点ですよね。
元々少し生臭いので、臭いで判断することも簡単ではなく、また、保存方法についても何が正解か分からないままパックごと保存している……なんてことも多々あるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、鯛の賞味期限や保存方法について、切り身と刺身別に説明します。
鯛の賞味期限(消費期限)
最初に、鯛の賞味期限(消費期限)について説明します。
基本的は商品に記載されている賞味期限を守っていただくのが大前提ですが、以下では一般的に考えられている大体の賞味期限を紹介します。
切り身
鯛の切り身の賞味期限は、冷蔵庫のチルド室やパーシャル室での保存で約4日~1週間とされています。
パーシャル室(半凍結くらいの状態で食材を保存する場所)が設けられている冷蔵庫であれば、できるだけパーシャル室に保存すると賞味期限が長くなる傾向にあるのでおすすめです。
刺身
鯛の刺身の賞味期限は、基本的には当日以内です。
しかし、柵の状態であれば、賞味期限は約1~2日と少し長くなります。
そのため、当日中に食べきれない場合は、柵の刺身を買うようにしましょう。
鯛の保存方法(冷蔵・冷凍)
つづいて、鯛の保存方法を説明します。
冷蔵保存と冷凍保存の両方について説明していますので、状況に合わせて保存方法を使い分けていただければと思います。
切り身
鯛の切り身を冷蔵保存する場合は、切り身から出ているドリップ(水分)をキッチンペーパーでしっかりと拭き取り、1切れずつラップに包んだら、さらにポリ袋かジッパー付き保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。
切り身から出てくるドリップを放置しておくと、臭みの原因になったり魚が傷んでしまったりするので、冷蔵庫で保存している間に再びドリップが出ていた場合は、その都度キッチンペーパーでしっかりと拭き取るようにしましょう。
さらに冷蔵保存のまま切り身を長持ちさせたいのであれば、オイル漬けや醤油浸け、一夜干しなどに切り身を加工して保存することをおすすめします。
例として一夜干しの作り方を記載するので、興味がある方はぜひ試してみてください。
- できれば荒塩で10~15%濃度の塩水を作る(身が厚いほど塩分濃度を高くします)
- ①に切り身を20分ほど浸けておく
- 水気を切ったら、ざるやネットに並べて風通しの良い日陰で5~6時間ほど干す
※扇風機の風を当てて干すのもおすすめです。
※高温多湿の日には魚が傷んでしまう恐れがあるので、外に干してはいけません。
その場合はざるやすだれ(下に受け皿を用意しておく)に切り身を乗せ、ラップをしないでそのまま冷蔵庫に1日入れて乾燥させる、という方法で一夜干しを作ることもできます。
また、切り身を冷凍保存する場合も冷蔵保存と同じ工程で処理をして、切り身同士を重ねないように注意して、冷凍庫で保存しましょう。
冷凍保存期間は約2週間~1ヵ月です。
それ以上の期間が経っても食べることはできますが、冷凍焼けしてしまう可能性が高いので、できるだけ早めに食べることを心掛けてください。
解凍する際は、前日から冷凍庫に移して自然解凍するか、自然解凍する時間が無ければ、保存袋ごと流水解凍をしましょう。
刺身
鯛の刺身を冷蔵保存する場合は、キッチンペーパーで水分を軽く押さえるようにして拭き取ったあと、乾いたキッチンペーパーで全体を包み、その上からラップで全体を包んだら、さらにジッパー付き保存袋に入れて冷蔵保存するようにしてください。
保存中はたびたびキッチンペーパーが濡れていないかを確認し、濡れていたら新しいキッチンペーパーと取り換えましょう。
さらに刺身を冷蔵保存のまま長持ちさせたいのであれば、昆布締めがおすすめです。
- 柵に薄く塩を振り、30分ほどおいておく
- 出てきた水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取る
- 柵の上下を板昆布で挟み、全体をラップで包む
- 一晩冷蔵庫で寝かせる
※そのまま食べられるようにスライスされている刺身の場合は、身に塩を振るのではなく、下に敷く昆布に塩を振ったらその上に刺身を並べ置き、さらに上から薄く塩を振って、もう1枚の昆布で挟みます。
昆布締めは2~3日ほど保存ができ、味も凝縮されておいしいので、ぜひ試してみてください。
また、刺身の冷凍に関してですが、そのまま食べられるようにスライスされているタイプの刺身は食感や風味が悪くなるので、冷凍保存には向いていません。
しかし、柵であれば冷凍保存が可能です。
柵を冷凍する場合は、切り身を冷凍する際と同じ手順で冷凍しましょう。
そのほか、上述した鯛の昆布締めにしても冷凍することができます(昆布ごとラップで包み、さらにジッパー付き保存袋に入れて冷凍)。
冷凍した刺身(柵)の冷凍保存期間は約2週間~1ヵ月です。
解凍は、冷蔵庫に移して自然解凍するか、流水解凍をしてください。
鯛の保存方法まとめ
鯛の賞味期限や保存方法、冷凍保存に関しては、
- 切り身の賞味期限は約1週間、刺身の賞味期限は当日から2日程度
- 切り身を冷蔵保存する場合は、水分を取り、1切れずつラップで包み、さらにジッパー付き保存袋に入れて保存
- 刺身を冷蔵保存する場合は、水分を取ってキッチンペーパーで包み、その上からラップで包んだら、さらにジッパー付き保存袋に入れて保存
- 切り身・刺身を冷凍保存する場合は、切り身を冷蔵保存するのと同じ手順で保存
以上が大まかなポイントです。
せっかくの鯛ですから、上手に保存して最後までおいしく食べきっていただければ幸いです。
この記事で説明した一夜干しや昆布締めなどの保存方法は、他の魚(主に白身魚)にも大体同じ手順で応用することができるので、ぜひ他の魚でも試してみてくださいね。